セント・フォースの経営戦略について

今回は適当に書きます

ある企業の経営について考えを書こうと思っていたが、肝心の対象にする企業が思いつかなかった。しかし、今日テレビを見ていて思いついたので書こうと思う。

アナウンサーに関するテレビ番組を見ていて、セント・フォースの経営について思ったことを軽く書く。

 

セント・フォースのポジショニング?

セント・フォースフリーアナウンサーに限定した事務所である。多くの有名フリーアナウンサーが在籍しており、ホームページを確認すると関西部門など合わせてだいたい100名のアナウンサー(タレント?)が在籍している。

今でこそ応募者が多いが、1994年ごろに成立された当時は経営が大変だったという。

設立者は「フリーアナウンサーに絞った事務所」という、当時は見られなかったポジショニングを戦略的に行ったらしい。

初めは、このポジショニングこそが、現在に到るまで事業を継続できた要因だと自分は思っていた。しかし、番組を見続けた限り、そうでも無いようだ。

 

急なアナウンサーの需要を埋めるセント・フォース

事務所から人気アナウンサーが輩出され始めてから、セント・フォースの経営がうまく行き始めたようだ。一旦、人気アナウンサーが輩出されれば、事務所への仕事の依頼も増え、事務所への応募者が増えるなど、良いサイクルが回りそうなのは想像がつく。

そもそも、セント・フォースに仕事がまわってきたきっかけは、各テレビ局が朝4時からのニュース番組を放送し始め、その担当アナウンサーの依頼が来た事が始まりらしい。やはり、各テレビ局がアナウンサーを増やそうと思っても、すぐに採用し局内で育成することは難しいため、セント・フォースが利用されやすかったのであろう。

製造業においても、他社ブランドの製品を製造するメーカーが存在する(OEMと呼ばれる)。なぜそのビジネスが成り立つかというと、あるメーカーが需要に合わせて工場を新しく作るよりも、OEMを行った方が費用がかからないからである。すぐに製品を作って売った方が販売の機会損失になりづらく、工場を建てた後に需要が低下するリスクを抱えなくて済むのである。

 

話を戻すと、アナウンサーは専門性が高い職業であるため、育成に時間がかかる。そのため、セント・フォースのように需要の増加を吸収する業態が成り立つのである。

さらに、報道だけでなくアイドルのようなタレントとして女性アナウンサーが扱われ始め、女性アナウンサーの需要が当時は高まっていたのでは無いかと思う。

 

過酷な局アナとしての働き方とフリーアナウンサー

そして、テレビ局に在籍する女性アナウンサーの働き方が、当時は(当時も?)厳しかったようだ。仕事の内容が知らされていたものとは違う事が多々あったり、本人があまりやりたくない内容の仕事も多くやらされていたであろう。ここで、アナウンサーがフリーで活動する理由として多いのが、局アナより自由に働けるからという理由である。

セント・フォースでは、依頼された仕事を受けるかどうか、1つ1つマネージャーと話し合うらしい。また、事務所に支払われた金額のうち、アナウンサー本人に支払われるギャラの割合がテレビ局と比較して高いらしい。

この、フリーの働き方を可能にしているのは、交渉力の逆転だと自分は想定する。局アナ時代はテレビ局に雇用されているため、テレビ局側に交渉力が存在する。しかし、フリーになってからは、テレビ局から事務所側にオファーをしないといけないため、断る権利などの交渉力はアナウンサー側にあると考えられる。

このような交渉力の逆転が、フリーアナウンサーの自由な働き方を可能にしており、セント・フォースは仕事の受け口として役割を果たしていると考えられる。

 

セント・フォースとミスコン

セント・フォースの採用する経路は3つあるという。元局アナ・ミスコン・一般応募だそうだ。この中でミスコンに注目したい。大学で行われるミスコンのグランプリが発表されたその場で、セント・フォースはスカウトするらしい。ミスコンは大学の学校祭でグランプリが発表される事が多く、セント・フォースのスカウトの時期と、局アナの採用の時期では前者の方が早いのでは無いだろうか。このスカウト採用は、有望なアナウンサー候補を早期から押さえられるという効果もあるのでは無いだろうか。

しかしながら、セント・フォースから有名なアナウンサーが輩出されなければ、ミスコン採用は成功しないわけで、アナウンサーになる手段として認知されている事が、採用の前提になっているだろう。

 

セント・フォースの経営から学べる事

何かを調べたら、他の何かに利用できそうな学びを引き出すべきだと自分は思う。

 

セント・フォースの成功は、最初に有名なアナウンサーが輩出された時点から始まっている。また、そのきっかけは、代替が難しい人材であるアナウンサー需要が増えたという偶然である。

セント・フォースの「フリーアナウンサーに限定した事務所」という戦略的ポジショニングは素晴らしいが、それが良いタイミングで重なることによって成功に結びついたと考えるべきでは無いだろうか。

この事例から、成功した戦略は絶対的に有効だと判断すべきではなく、戦略がとられたタイミングも考慮すべきである、という学びを自分は引き出したい。

 

セント・フォースが採用する女の子可愛すぎい!!最高!!という話